- Goldilocks Playroom
- 8月9日
- 読了時間: 4分
更新日：10月27日
HIPHOPの魅力サンプリング Part.3
このシリーズを追いかけてきてくれている方なら、これまでサンプリングの魅力、なぜそれが重要なのか、そして曲をどのように変化させるのかを掘り下げてきたことをご存知だと思います。Part.1ではサンプリングの基本を解説し、Part.2ではクリエイティブなサンプリングがどのように曲をまったく新しいものへと作り変えるのかを紹介しました。
そして今回のHIPHOPの魅力サンプリング Part.3では、もう少し深いテーマ─ヒップホップにおけるR&Bサンプリング─に迫ります。これらがもたらすソウル、感情、そして無視できない音楽的遺産の感覚について掘り下げます。
なぜヒップホップにおけるサンプリングはこれほど響くのか？
もちろん、ヴァースやフロー、ビートも重要です。しかし、ヒップホップに深みを与えるもうひとつの要素があります。それがサンプリングです。
特にR&Bをサンプリングした場合、それは単なる「音」ではなく「感情」です。そこには生々しく、ソウルフルで、どこか懐かしい響きがあります。サンプリングは単なる制作技術ではなく、世代間の「音楽的な会話」です。過去を称えながら、新しいものを創り出す─ブラック・ミュージックの遺産に根を張りつつ、同時にその枠を押し広げることでもあります。
今回は、R&Bサンプルを巧みに使い、自分の音楽へと昇華させたヒップホップの5曲を紹介します。
① POP SMOKE - "WHAT YOU KNOW BOUT LOVE" / 元ネタ：Ginuwine - "Differences"
元ネタのスウィートなラブソングを大胆にドリル・ビートと融合させ、Pop Smoke特有の低音ヴォイスとメロウなトラップサウンドで再構築した1曲。
② Drake – “Nice For What” / 元ネタ： Lauryn Hill – “Ex-Factor”
90年代R&Bの名曲を、2018年のアンセムへと見事にアップデート。テンポや雰囲気は変えても、感情の重みはそのままに。サンプルに敬意を持って扱いながら、自分のものにするお手本のような一曲です。
③ G-Eazy – “Provide” (feat. Chris Brown & Mark Morrison) / 元ネタ： Mark Morrison – “Return of the Mack”
オリジナルの持つ“スワッガー”を完全にキープ。G-EazyとChris Brownがグルーヴに乗り、ノスタルジックでありながら新鮮な、肩の力が抜けた心地良い一曲に仕上がっています。
④ Warren G – “Regulate” (feat. Nate Dogg) / 元ネタ： Michael McDonald – “I Keep Forgettin’”
ウェストコースト・ストーリーテリングの教科書的存在。スムーズでありながらどこか切ないサンプルが、リリックの重みをさらに強調。時代を超えて愛される名曲です。
⑤ Ty Dolla $ign – “Love U Better” (feat. Lil Wayne & The-Dream) / 元ネタ： Mary J. Blige – “I Can Love You”
Mary J.のクラシックを現代的に再構築。The-Dreamの滑らかなボーカルがビートの上を流れ、オールドスクールR&Bと洗練されたモダンサウンドを見事に融合させています。
なぜサンプル元を知ることが重要なのか？
サンプルの出所を知ることは、音楽オタクだけの楽しみではありません。それは大きなアドバンテージです。オリジナルを理解すれば、その曲の感じ方が変わります。
サンプリングは盗用ではなく、ストーリーテリングであり、クリエイティブな応答です。過去への敬意と、自分の声を加える行為、つまり「音楽的対話」です。
だからこそ、ラッパーやプロデューサー、音楽好きの人こそ、ひとつのジャンルに閉じこもらず、ソウル、ファンク、ジャズ、R&Bなど幅広く耳を傾けるべきです。意識的に聴くほどに、音楽の聴こえ方が変わり、あなたの創造性は確実にレベルアップします。
本気で自分の音楽を形にしませんか？
Goldilocks Playroomでは、単に技術的に優れただけでなく、感情に響く音楽づくりを大切にしています。
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クラシックなサンプルを使ったトラックでも、完全オリジナルの楽曲でも、私たちは全力でサポートします。
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